圧迫骨折は、特に骨粗鬆症のある高齢者に多くみられる骨折です。背骨がつぶれるように変形し、強い腰痛や姿勢の悪化を招きます。
急性期には安静にすることが多いですが、動かないままでいると筋力低下などの廃用症候群や再発リスクの増加につながります。そこで重要なのが、回復段階に応じた運動療法と生活動作の工夫です。
運動療法のポイント
-
体幹の安定性を高める運動
腹筋や背筋の筋力を強化することで、背骨を支える力を取り戻します。特にインナーマッスルを鍛えることで、再び骨折するリスクを減らします。 -
下肢筋力の強化
歩行や立ち上がりの安定には太ももやお尻の筋力が欠かせません。 -
姿勢改善ストレッチ
猫背のように背中が丸くなると背骨への負担が多くなります。胸を開くストレッチや肩回しで柔軟性を保つことが大切です。
生活動作の工夫
-
前かがみ動作を避ける
掃除や洗濯などの家事では前屈姿勢が骨折を誘発しやすいため、膝を曲げて腰を守るように意識しましょう。 -
正しい寝起きの方法
横向きになり、手を使ってゆっくり起き上がることで腰への負担が軽減します。 -
生活環境の見直し
段差や滑りやすい床などを改善し、転倒を防ぐ工夫も圧迫骨折の再発予防には欠かせません。