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骨盤の傾き(歪み)と姿勢の崩れ

脊髄小脳変性症とは、脳の中でも「小脳」と呼ばれる運動の調整をつかさどる部位や、そこに関係する神経が徐々に変性し、運動機能に障害が出てくる病気の総称です。
小脳や脊髄がうまく働かなくなることで、体のバランスが取りにくくなったり、手足が思うように動かせなくなったり、言葉がはっきりしなくなったりします。
症状は少しずつ進行することが多く、次のようなものが見られます
歩行時のふらつき(運動失調)
言葉が不明瞭になる(構音障害)
手足の震えや動作のぎこちなさ(協調運動障害)
目の動きの異常(眼振)
飲み込みにくさ(嚥下障害)
細かい動作の困難(ボタンが留めづらい、字が書きにくい など)
進行の速度や症状の現れ方には個人差があります。
◉ 遺伝性タイプ(家族性SCD)
家族に同じ病気の方がいるケースで、遺伝子の異常が原因となるタイプです。代表的なものに「SCA(脊髄小脳失調症)」があります。どの遺伝子に異常があるかで、症状や進行が異なります。
◉ 非遺伝性タイプ(孤発性SCD)
家族歴がなく、明確な原因が特定できないタイプもあります。代表的なものに「多系統萎縮症(MSA-C型)」などがあります。
この病気は残念ながら完治が難しいものですが、「進行を遅らせる」「生活の質を維持・向上する」ために、リハビリテーションは非常に重要な役割を果たします。
● 転倒防止
バランスを崩しやすくなるため、手すりの設置、段差の解消、歩行補助具の活用などが重要です。
● 無理をしない生活リズム
疲れやストレスは動作の不安定さを強めることがあります。体力に合った生活スタイルを整えることも大切です。
● ご家族との協力
症状が進んでも、「できることを奪わないサポート」がご本人の尊厳や意欲の維持につながります。
脊髄小脳変性症は、たしかに難しい病気ですがリハビリを通して「今できることを伸ばし、将来に備える」ことは可能です。
当施設では、脊髄小脳変性症の方に対し、個別の評価に基づいたオーダーメイドのリハビリを提供しています。
ご本人の「こうなりたい」「できることを増やしたい」という思いに寄り添いながら、専門スタッフが継続的にサポートします病気と向き合いながら少しでも自分らしく暮らせるよう、私たちは一緒に考え寄り添います。